コリアタウン殺人事件を見た話

自分の過去の記事を参考にフォーマットを作ろうと思ったのにどう検索しても記事トップに出てこなかったみたまや書房のはてなブログ、はっじまーるよー

 

第四の壁などない

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ロサンゼルスのコリアタウンで起きた奇妙な殺人事件。事件発生当夜その一部を目撃してしまい、興味本位で事件の捜査を始めた男性だったが、死んだはずの被害者からの交信やガールフレンドの失踪など、不可解な出来事が徐々に彼を追い詰める。

 

といったいわゆるファウンドフッテージと呼ばれるジャンルの映画。知らない人に説明すると(というか私も知らなかった)たとえば本当にあった怖い話とかそういう、ドキュメンタリーのような演出をしたフィクションであるモキュメンタリーの一種。なかでも撮影者が行方不明になった結果、ビデオだけが何らかの形で発見され公開されたという設定のジャンルがファウンドフッテージ

 

だからジャンル訳するならフィクションと言い切れるのだろうけれど「信じるか信じないかはあなた次第」と舞台と客席の壁を観客に壊させるのがホラーの妙。だってほら、リング見た後テレビに布掛けて存在をなかったことにするじゃん。私なんかテレビに布掛けてガムテープで巻いた上でトラバサミ設置するまである。

現実に侵食してきそうな、あるいはノンフィクションなのではという奇妙な怖さが面白いところかと思うわけですが

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不明ってなんだよ

 

ーーー以下ネタバレありーーー

 

 

作品の最後でアマプラから視聴者へのメッセージ(という形)で

 

「投稿者の身の安全を考慮して監督や主演の情報を秘匿する。ここで得た収益は警察が行方不明者の捜索を私立探偵に依頼する資金とする」

 

とでる。

 

正直ここが一番怖かった。怖すぎてのけぞったから文章は曖昧なんだけれど、この時点で「これはフィクションじゃないですよ」という宣言が作者ではなく会社から来て「ああ、これマジか……」と戦慄する。

 

面白かったか面白くなかったかで言えば彼女が失踪するあたりまで眠そうに見ていたんですけれど。そもそもTwitterで「いやこれマジだよ!」といった情報を見たから真偽を確かめるために見ていたのですが

 

1.事件の第三者であったはずの撮影者に危険が迫って、物語の中での日常の浸食

2.創作ではなく現実 の話と分かることで視聴者の日常が浸食される

 

という二段構えで私は泣きました。多分一生ロサンゼルス行けない。

 

ただ、なぁ……

 

できすぎなんだよなぁ……いろいろと

 

霊媒師の女の人とか、物語を動かすキーになるホームレスのおっさんとか、死者との交信とか、ご都合主義でしかなくてあからさまにフィクション感がある。話の展開に筋書きが見え隠れする。

 

このままだと感想サイトなので考察サイトになったらいいなともう少し頑張る。でも考察は苦手なので好きなことをしゃべります。いいか! 情報の! 価値を売るんだよ(職業ライター並感想)

 

ノンフィクションと思わせるための処置として物語をあえて何でもない、普通なものにしたのなら効果はある。現実にそうそう劇的な展開など起こるわけもなく、湿った真綿に圧迫されていくような気持ちの悪さだけが増えていくのみ。その点では見ている人を突き放すようでいて興味を惹かせ続ける構成はハマっている。

 

一方でフィクションと思わせるなら、前述の舞台装置も適役。こんなの現実にいるわけないと思うことになる。

 

どっちがより作為的だったか

 

何かを騙る必要のある者は偽物だけと考えるなら、フィクションの皮を被っていると見るのがスムーズか

 

フィクションとして撮られたものの中に、真実が1つある。

 

幽霊も役者も合成映像のような最後の写真もドアをノックした彼女の家族の友人を騙るものも撮った覚えのない写真のほとんども死んだことにされた店長も落書きも通訳のちょっと美人な女の人もどれもこれもフィクションだとして、さらに隠すとしたら木は森の中。過剰な演出があったシーンはどこだったか。

 

そこに写っていた人は誰だったか

 

 

まあこの結論だと神父が犯人になって結局思うつぼなのですが、チラシの裏としてご容赦ください。

 

仮にフィクションと見せかけることを計算して撮っているのであれば陰謀論とかに発展するのですが、そういうことを考えて撮影しているとそれはもはやドキュメンタリーではないのでは? といろいろ考察が深まる作品だと思ったので私は今から考察サイトを巡ってきます。人の考察見る前に自分の考察を書きたかった。ただ私これが「フィクションかノンフィクションか」の話しかしてねえな。ホラー要素? びっくりポイントは1回あったけどあとはもう不気味さを堪能するだけでした。そう……私がホラー苦手じゃないのは現実じゃないと分かっているからなのだ……だからコレ系は駄目なのだ……

 

文責:日笠

(同居人には「めちゃくちゃびびってたよ」と言われた)