ジョン・ウィック1.2でお約束を果たせ

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こ う い う の が 見 た か っ た !!!!!

 

難解な要素は一切なし。強いて挙げるなら1の序盤の駆け出しがちょっと遅い。しかしそれは全て助走! あとあとを高く飛ぶための! 助走! 無駄な要素はねぇ! この世界観に酔いしれろ! 男の子はこういうのが好きなんです! わかる! (語彙力の崩壊) もはやあらすじが面白い。主人公は愛妻愛犬スウィートホーム軒並み奪われちゃうんだけど、目には目を、不条理には不条理を! 悲しみの果てに伝説の殺し屋が帰ってきた。彼にまつわる逸話は全て控えめに語られていると思え。早く3が見たい目が治ったらね。そんな作品、ジョン・ウィック

 

あらすじは少し悲しいんだけどなぜか笑っちゃうんだよな。キングスマンみたく真面目に悪ふざけしている節がある。とにかく味方がみんないい人。「復讐なんて何もウマナイヨー」奴がいない。だってみんな殺し屋の世界に生きてるから。思えば表社会の人間ほぼいなくね? ストレスフリー。最高。見る脱法ドラッグ。劇場に観に生きたかった……

 

顧客満足度という点に関しては高いと思う。あとあらすじっていう前提条件は大切だと思った。

 

前にも書いたけど作り手と受け手の間の共通認識がしっかりしてて「これはこういうもの(話)です」という説得力をもたせられているとか、作品内での不要な説明や違和感を拭えるからいいよね。シリーズ物とか特に顕著。仮面ライダーは変身するし人が不幸になるし悲しいから仮面ライダーなんだよ。その悲しみの果てに希望があるんだよ(たまに)。ロボットものの主人公機強化とかね。そんなお約束が地盤にあるから、その上で自由に踊り狂えるわけですね。

 

私の場合ジョン・ウィックはあらすじ見てから視聴したんですけど、頭に中盤までの「お約束」が入ってるからもう楽しくて楽しくて。お約束が達成される快感ってありますよね。もうだめだ、これただの感想だ。

 

ブログを活用するうえで考えることは、最大多数の最大幸福より、マイノリティーの共感の方がやりたいなって思ってます。みんなにウケるような、たくさんの人のためになるような視点とかの提供じゃなくて(それが出来るとも思ってないけど)、私と同じこと考えてる人がいた! とこの世の誰かが思ってくれたらそれが私の書く理由なのかなって。さあお互い世界の隅っこで共鳴しようぜ。しかしこの記事のどこにその部分が?

 

・真面目さについての考察

 

例えば茶化して場を濁すような笑いの撮り方ではなく、真剣で他意がないものにこそ人の心は動かされて、そして垣間見えるお茶目さ、滲み出てくるリアルや常識との乖離に人は正の感情を抱く、らしい。お約束の話を前提とするけれど、果たして猫や犬などの愛玩動物が「分かった上であざとい動作をしているか」という話。猫はしてる。絶対してるやつら自分が可愛いって自覚あるよ。

 

脱線したけど、彼ら動物は「人よりランクの低い生き物ゆえに、自覚したあざとさがない」ということを私たちは前提に置く。その上で本来ならあり得ない人間臭さとか、常識的にはドジに当たる動作に愛らしさやおかしさを覚えるのではないかという考えを昔大学の教授がしてました。引用明記。

 

それを無理やり映画に当てはめるなら「その映画特有のお約束」があり、「その世界では真剣な行い」が「現実とは剥離してるから」面白い。そういう説明もできるよねって話。そしてことフィクションによるならば、その現実から離れた世界に没入することを人は求めているわけで。ならなおさらその世界に作り物感があってはいけない。メタってもいけない。真剣にその世界である必要がある。それが真面目にふざけるってことだよね。悪ふざけは、全力で常識を飛び越えるからこそ愛嬌がある。

 

あれこれヤンキーにも似てんな。あいつら可愛らしいもんな。

 

だからみんなも見ようジョン・ウィック

 

文責:日笠

(もはや読書感想文)